選挙ルールはとかく複雑である。国会議員及び地方議会議員を選出する公職選挙法は複雑であるが、役員選挙に関する日本弁理士会ルールも同様に複雑である。

 

弁理士法は、日本弁理士会の役員に関する規定を設けているが(弁理士法63条)、役員を選任する手続きについては規定を設けておらず、他の事項と同様に会則に委ねられている(弁理士法57条)。

 

日本弁理士会役員選挙については、日本弁理士会会則(会則第17号)、役員選挙規則(会令第51号)、役員選挙施行規則(会令第52号)、役員選挙施行細則(内規第83号)、選挙運動に関するガイドラインなどで規定されている。

 

ここで、会則、会令、内規という用語が用いられているが、日本弁理士会会則(会則第17号)にこれらの用語が定義されており(日本弁理士会会則第5条)。基本的には、会則>会令>会規>内規という順序になる(日本弁理士会会則第6条)。

 

日本弁理士会役員選挙に関するルールは複雑なので、役員選挙に関連して何かを書き過ぎたときにはいつの間にか複雑なルールのどこかの規定に違反していた、というような事態が発生するおそれがある。そこで、日本弁理士会役員選挙に関連する事項についてブログを執筆するときには、控え目にしており、詳細を省略していました。

 

 

 

弁理士法抜粋

 

(会 則)

第57条 弁理士会は、会則を定め、これに次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 名称及び事務所の所在地

 二 入会及び退会に関する規定

 三 会員の種別及びその権利義務に関する規定

 四 役員に関する規定

 五 会議に関する規定

 六 支部に関する規定

 七 弁理士の登録に関する規定

 八 登録審査会に関する規定

 九 会員の品位保持に関する規定

 十 会員の研修に関する規定

 十一 実務修習に関する規定(平1991、本号追加)

 十二 会員の業務に関する紛議の調停に関する規定(平1991、旧11号繰下)

 十三 弁理士会及び会員に関する情報の提供に関する規定(平1991、旧12号繰下)

 十四 会費に関する規定(平1991、旧13号繰下)

 十五 会計及び資産に関する規定(平1991、旧14号繰下)

 十六 事務局に関する規定(平1991、旧15号繰下)

十七 その他弁理士会の目的を達成するために必要な規定(平1991、本号追加)

2 会則の制定又は変更(政令で定める重要な事項に係る変更に限る。)は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 

 (役 員)

第63条 弁理士会に、会長、副会長その他会則で定める役員を置く。

2 会長は、弁理士会を代表し、その会務を総理する。

3 副会長は、会長の定めるところにより、会長を補佐し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠員のときはその職務を行う。

4 役員は、会則又は総会の決議によって禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。

 

 

日本弁理士会会則(会則第17号)抜粋

 

第5条 本会の例規は、次の4種とする。

(1)会則

(2)会令

(3)会規

(4)内規

 

(例規の制定、改正及び廃止)

第6条 会則は、弁理士の議決権の総数の3分の1以上に当たる議決権数(第94条第2項の規定による議決権の数を含む。)を有する弁理士が出席した総会において、出席弁理士の議決権数の3分の2以上の多数による決議を経て、これを制定し、改正し、又は廃止する。この場合において、会則の制定及び法第57条第2項に規定する会則の変更については、経済産業大臣の認可を受けなければならない。

2 会令は、弁理士の議決権の総数の6分の1以上に当たる議決権数(第94条第2項の規定による議決権の数を含む。)を有する弁理士が出席した総会において、出席弁理士の議決権数の過半数による決議を経て、これを制定し、改正し、又は廃止する。

3 会規は、常議員会の決議を経てこれを制定し、改正し、又は廃止する。(改正、平17323臨時)

4 内規は、執行役員会の決議を経て、これを制定し、改正し、又は廃止する。(改正、平17323臨時)

5 この会則に定めるもののほか、例規の制定、改正及び廃止に関し必要な事項は、会令で定める。